若桜宮学園に通うc達の記述とか戯言とか。
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 桃色の花びらがひらひらと中庭の隅に舞い降りて周囲を染め上げていく。
 昼寝に丁度良さそうな白いベンチも、隣に茂る草木も、数メートル離れた花壇すらにも、分け隔て無く埋め尽くしてゆく色をを見て浅い溜息を吐いた。
 春だ花見だと浮かれる人間が多いのに、僕は風に揺られて落ちる花びらに埋もれた地面のように沈んでいた。
 否、もしかしたら地面の方は喜んで受け入れているのかもしれないけど。
 とにかく僕の心はマイナス方面に傾いていたわけです。
 「うわー、君、そのまま桜の木の下に埋まる死体の一人にでもなるつもりか?」

 前方のやや上の位置から聞きなれた声が聞こえる。
 ごつごつとした感触が伝わる木の幹から体を起こして声の主の名前を呼んだ。

 「檀くん…」

 普段は厭うて殴りかかってきさえする単語だが、周りに人が居ない時には呼ばせてくれるらしく(でも、たまに二人きりであっても機嫌の悪い時は殴られるので、すごく理不尽だと思う)、今日は殴られなかった。
 小ばかにした笑顔を向けられるのは毎度の事だ。

 「自分に降りかかる花びらぐらい払えよ。君、凄い事になってるぞ?」

 言われて漸く自覚した。
 地面を埋め尽くす桃色はそれだけじゃ飽き足らず、どうやら僕すらも自身の色で染め上げようとしたらしい。
 ふるふると頭を振って花びらを落とし、「まだ乗っかってる」、「そうしてるとバカみたいだなホント」、「やる気あんの?」と手厳しい檀くんの指摘が終わるまで頭を振って手で払って、「まぁ、良いんじゃねぇ?」やっと投げやりなOKを貰った時には既に数分が経っていた。
 落とした後にも次から次へと振ってくるからキリが無い。
 そのうち檀くんの頭にも積もってきたからそれを教えてあげると、

 「それが?」
 「……、…」

 冷たい一言と視線で一蹴されてしまった。
 僕にはバカだとか阿呆だとか似合わないだとか言ったくせに、やっぱり理不尽だ。
 再度吐きそうになった溜息を慌てて飲み込んで、眉尻を下げて俯く。
 危ない危ない、また理不尽に怒られるところだった。

 「で、君は此処で何してたんだ?」
 「別に、何もしてへんよ。ただ桜が綺麗やなー思てぼーっとしてただけ」

 真実ではないが百パーセント嘘ではない。
 桜が綺麗だと思っていたのは事実で、ぼーっとしていたのも本当。
 ならば何が違うかと言えば、其処に落ち込んだ感情が入り交じっていたことだろうか。

 「ふぅん」

 さほど興味なさそうに相づちを打つ檀くんだが、心なしか視線が痛い。
 肌を刺す、とまではいかなくともちりちりと焦げ付きそうな視線だ。
 それに耐えきれなくなってぷいとそっぽを向くと、見計らったように檀くんが口を開き、

 「なぁ、四月の十四日が何の日か知ってるか?」

 出し抜けに問いを投げかけてきた。

 「十四日…て、何かの日やったっけ?…あ、それとも檀くんの誕生日?もー、わざわざ催促してまで祝って欲しいなんて檀くんも可愛いとこが……ッ…!!」

 あるやんか。
 笑顔のままでそう続けようとした意識とは関係無く、無理矢理に言葉を止めさせられる。
 つまりは頭を容赦なく殴られて、その上怖い目で睨まれた。

 「ま、まゆ…」
 「ああ゛?」

 青筋を額に浮かべ、笑いながら怒るという器用なことをしている。
 何故だか知らないけれど、僕はどうやら檀くんの神経を逆撫でしてしまったらしい。
 一度怒ると絶対に自分から折れないという困った性格の彼を前にして、しぶしぶ、というか若干怯えながら「…ごめんなさい」と頭を下げた。
 逆に溜息を吐かれた。

 「…君が無知でどうしようもないくらい間抜けだという事は良く解った」
 「檀くん、いくらなんでもその言い方酷ぅ…」
 「何か?」
 「無いですすいません僕はどうしようもないくらいの間抜けでへたれです」

 睨まれるのは怖いし殴られるのは痛い。
 有り難い事に特殊な性癖でない僕は殴られる事態を極力避けたかった。
 これがまた、綺麗なお姉さんや可愛い女の子だったらまた別なんだろうけどさ、相手が檀くんだったら男だし手加減無いし痛いし怖いしで全然これっぽっちも嬉しい所がない。
 ああでも、同じ男でも織部君に殴られんねやったら、少しは………。
 そこまで思考を巡らせたところで、僕が柄にもなく落ち込んでいた要因を思い出した。

 「君、さっきからしょげたりにやけたり溜息吐いたり急にだらしなく笑ったかと思えば落ち込んだり、気持ち悪いことこの上ねぇぜ?」
 「酷ッ?!」

 いくら何でも言い過ぎじゃないだろうか。

 「そんな事ねぇよ」
 「僕ん心読まんで下さい」
 「読んでねぇし。君はすぐ顔にでるから解り易すぎんだよ。…ま、兎に角、今月十四日が何の日か君が知らないというのも解した」
 「で、結局何の日なん?」
 「教えて欲しいか?」

 間髪入れずに勝ち誇った笑顔で切り替えされて僅かに面食らう。
 そういえば檀くんは昔から人より有利な立場に立たないと気が済まない性格だった。
 歪んだ微笑を見ていたらなんだか悔しくなって黙っていようかと思ったけれど、そうしたらきっと後々気になって眠れなくなるからして、少し不満そうに檀くんを見上げつつ、口を開く。

 「…教えて下さい」
 「四月十四日、ブラックデー、君にぴったりすぎて泣けてくるような日さ!」

 名称を言われたってその日が孕む意味を知らないんだから、意地の悪い笑顔を浮かべた檀くんを前に、僕としては首を傾けるという淡白な反応しかできない訳で。
 そんな態度を見ても檀くんの笑顔は消えず、寧ろ更に深まった気さえした。

 「バレンタインデーは流石に知ってるだろう?」
 「そりゃあ、まぁ…」

 だから何が言いたいんだろう。
 檀くんの意図が見えず、つい、眉間に皺が寄ってしまう。

 「そう、毎年この日を楽しみにして女からのチョコレートを、例え義理だとしても板チョコだとしてもチロルチョコでもココアでももんの凄い喜んで受け取っていたのに、何故か今年は一つも受け取らなかった日だな。後無駄に大学校舎の方へ散歩へ行って戻ってきては意気消沈、しょんぼりしながら放課後ぎりぎりまで粘って何かを待った日でもある」
 「っ…!な、何で檀くんそんな事知ってるわけ?!僕何もゆうてへんのに!!」
 「見てりゃ解る」
 「見てたの?!」

 驚く僕を無視して檀くんは自分の言いたいことだけをつらつらと快活に紡いでいく。

 「続いてホワイトデー。この日はバレンタインデーにチョコを貰ってないにも関わらず朝っぱらから甘ったるい匂いを振りまいてたよな。鞄の中には」







 14日に間に合わんかった(・∀・)←
 途中保存、です!
 征雄視点で暇な時にかしかしやるつもりだとか。
| 征雄 | 01:49 | comments(0) | - | | |

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